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経営者が病気やケガで働けなくなったら?|創業期に考えたい事業継続と資金準備
創業間もない経営者の方から、
「会社を立ち上げたばかりですが、どんな保険が必要ですか?」
というご相談をいただくことがあります。
しかし、最初から「どの保険に入るか」を考える必要はありません。
創業期にまず考えておきたいのは、「経営者である自分が病気やケガで一定期間働けなくなったとき、会社の経営はどうなるのか」ということです。
特に、経営者自身が営業・現場・顧客対応・マネジメントなど複数の役割を担っている会社では、経営者の不在がそのまま売上や事業運営に影響する可能性があります。
今回は、創業期の経営者が確認しておきたい「経営者不在リスク」と資金準備について考えます。
経営者が働けなくなったとき、会社では何が起こる?
例えば、経営者自身が営業や現場業務の中心を担っている会社で、病気やケガによって数週間仕事ができなくなったとします。
その間、売上が減少する可能性がある一方で、会社から出ていくお金がすべて止まるわけではありません。
- 従業員の給与
- 事務所や店舗の家賃
- 借入金の返済
- リース料
- 水道光熱費や通信費
- 社会保険料
- 仕入代金や外注費
など、事業を維持するための支払いは続きます。
したがって重要なのは、単に「経営者が入院した場合にいくら受け取れるか」ではありません。
経営者が一定期間不在になった場合、会社にどの程度の資金が必要になるのか。
ここから考えることが、事業継続の第一歩です。
まず確認したい4つのポイント
経営者が病気やケガで働けなくなるリスクを考える際には、次の4つを整理すると会社の状況が見えやすくなります。
1.経営者が不在になった場合の売上への影響
まず確認したいのは、経営者が現場から離れた場合に、売上がどの程度影響を受けるかです。
経営者以外の社員だけでも営業や現場を継続できる会社と、経営者本人がいなければ仕事そのものが止まってしまう会社では、必要な備えが異なります。
特に創業期は、経営者自身が会社の重要な「キーパーソン」になっていることが少なくありません。
2.毎月いくらの固定費が必要か
次に、売上が減少しても支払いが続く費用を確認します。
給与、家賃、借入金返済、リース料など、会社を維持するために毎月必要となる資金を把握します。
例えば、毎月の固定的な支出が300万円ある会社と50万円の会社では、必要となる資金準備も大きく異なります。
3.会社の手元資金で何か月対応できるか
必要な固定費を確認したら、現在の預貯金などで何か月程度事業を維持できるかを確認します。
「必要資金」と「現在準備できている資金」の差を把握することが重要です。
十分な手元資金がある会社であれば、新たな対策を急いで追加する必要がない場合もあります。
4.不足する資金をどう準備するか
不足する可能性がある資金が見えてきたら、初めて具体的な対策を検討します。
選択肢は保険だけではありません。
- 会社の預貯金
- 金融機関との融資枠
- 経営者不在時の社内体制整備
- 利用できる公的な制度
- 既に加入している生命保険・医療保険等
- 新たな保険による保障
などを確認し、会社に合った方法を組み合わせて考えます。
医療保険は「目的」ではなく選択肢の一つ
ここまで整理した結果、経営者の病気やケガによる入院等に備える方法の一つとして、法人契約の医療保険などが選択肢になる場合があります。
ただし、重要なのは「医療保険に加入すること」そのものではありません。
確認したいのは、次のような点です。
- 何のリスクに備えるのか
- どの程度の資金が不足する可能性があるのか
- 既存の資金や保障でどこまで対応できるのか
- 追加の保障が本当に必要なのか
保険を検討する場合にも、給付条件、保障期間、保険料、契約者・被保険者・給付金受取人などの契約内容を確認したうえで判断する必要があります。
借入金がある会社は「経営者不在」と「債務」もあわせて考える
創業時に金融機関等から借入れを行っている場合は、経営者の病気やケガだけでなく、万一の場合に借入金が会社経営へ与える影響も確認しておく必要があります。
例えば、経営者に万一のことがあった場合、会社にどの程度の借入金が残るのか、事業を継続するためにどの程度の資金が必要なのかを整理します。
ここでも「保険金額はいくらにするか」から考えるのではなく、借入金、固定費、売上、手元資金、事業継続に必要な期間などから必要資金を考えることが大切です。
創業期だからこそ「保険一覧」ではなく「リスク一覧」をつくる
創業期には、医療保険以外にも確認しておきたいリスクがあります。
- 経営者の死亡・病気・ケガ
- 借入金
- 火災・自然災害
- 施設・業務上の賠償責任
- 従業員の労災・業務災害
- サイバーリスク
- 事業休業
業種や事業規模によって、優先順位は異なります。
すべてのリスクを保険でカバーするという考え方ではなく、会社にとって影響の大きいリスクを把握し、「保有する」「予防する」「移転する」などの方法を比較することが重要です。
「どの保険が必要?」の前に考えてほしいこと
創業期の経営者にとって、会社と経営者自身は非常に密接な関係にあります。
だからこそ、
「自分が働けなくなったら会社はどうなるか」
を一度具体的に考えておくことには意味があります。
ティ・アイ・エス株式会社 法人事業部では、最初から特定の保険商品を選ぶのではなく、会社の状況を整理し、必要となる資金やリスクを確認したうえで、対応方法を比較することを大切にしています。
保険を選ぶ前に、経営課題を整理する。
そのうえで、保険が適切な選択肢となる場合には、保障内容や契約条件を確認しながら検討します。
このような経営者の方は、一度確認してみてください
- 創業したばかりで、どんな備えが必要なのか分からない
- 自分が現場を離れると売上が大きく減る
- 借入金があり、自分に万一のことがあった場合が心配
- 会社の固定費が毎月いくら必要なのか整理できていない
- 既に法人保険に加入しているが、何のための契約か分からなくなっている
- 生命保険だけでなく、会社全体のリスクを整理したい
まずは、現在の会社の状況と「経営者が不在になった場合に何が起こるか」を整理するところから始めてみてください。
注意事項
本記事は、法人の事業継続や法人向け保険に関する一般的な情報提供を目的としています。特定の保険会社・保険商品への加入を推奨するものではなく、個別の保険契約の締結または加入を勧誘するものではありません。
保険金・給付金の支払条件、保障内容、保険料、契約条件等は、保険会社、商品、契約内容、約款等によって異なります。
法人契約の生命保険・医療保険等に関する税務・会計上の取扱いは、契約形態や商品内容、経理処理等によって異なります。実際の税務・会計上の取扱いについては、税理士等の専門家にご確認ください。
