受託物とは?預かった商品・作業中の物を破損した場合に確認したい法人保険のポイント
受託物とは?預かった商品・作業中の物を破損した場合に確認したい法人保険のポイント

事業を行っていると、お客さまの商品、設備、資材、衣類、機械などを一時的に預かる場面があります。
たとえば、修理・加工・クリーニング・内装工事・メンテナンス・製造受託などの業務では、次のような事故が発生することがあります。
・修理のために預かった商品を破損してしまった
・加工中の部品に傷をつけてしまった
・工事中にお客さまの設備を破損してしまった
・保管していた預かり品を汚損してしまった
・運搬中にお客さまから預かった商品を破損してしまった
このような事故について、法人向けの賠償責任保険に加入している場合でも、預かった物や作業中の対象物がどのように取り扱われるかは、契約内容によって異なります。
そのため、保険契約の内容を確認する際には、次のような点を整理しておくことが大切です。
・受託物が補償対象に含まれているか
・作業対象物の損害がどのように取り扱われるか
・保管中、運搬中、作業中のどの場面まで対象となるか
この記事では、法人向け保険を確認する際に知っておきたい「受託物」「管理下財物」「作業対象物」について、一般的な確認ポイントを解説します。
受託物とは?
受託物とは、一般的には、お客さまなど第三者から預かっている物を指します。
たとえば、次のような物が該当する可能性があります。
・修理のために預かった商品
・加工のために預かった部品や資材
・クリーニングのために預かった衣類や布製品
・メンテナンスのために預かった機械や設備
・一時的に保管しているお客さまの商品
・施工や取付のために預かっている資材
ただし、実際に受託物として取り扱われるかどうか、また損害が補償対象となるかどうかは、保険契約の内容や事故の状況によって異なります。
そのため、お客さまの商品や設備、資材などを預かる業務がある場合は、現在の契約における受託物の取扱いを確認しておくことが大切です。
預かった商品を破損した場合、法人保険で確認したいこと
預かった商品を破損してしまった場合、保険契約上どのように取り扱われるかは、契約内容によって異なります。
たとえば、次のようなケースがあります。
・修理のために預かった商品を落として破損した
・倉庫で保管していたお客さまの商品が汚損した
・納品前に預かっていた資材を誤って破損した
・運搬中にお客さまの荷物を破損した
これらは一見すると「第三者の物を壊した事故」に見えます。
しかし、保険契約上は、通常の第三者財物とは別に、自社が管理している物、預かっている物、運搬している物として取り扱われる場合があります。
そのため、法人向けの賠償責任保険に加入している場合でも、預かり品の損害が対象となるかどうかは、保険証券、特約、約款、重要事項説明書などで確認する必要があります。
管理下財物とは?
法人向けの賠償責任保険を確認する際に出てくる言葉の一つに、管理下財物があります。
管理下財物とは、一般的には、自社が使用・管理・保管・作業している他人の財物を指します。
お客さまから預かった物、現場で管理している物、作業の対象となっている物などが該当する可能性があります。
管理下財物は、通常の第三者財物とは異なる取扱いとなる場合があります。
そのため、次のような業務を行っている事業者さまは、管理下財物の取扱いを確認しておくとよいでしょう。
・お客さまの商品を預かる
・お客さまの設備や機械を修理する
・衣類、バッグ、靴、家具などを預かって加工・修理する
・建物内で内装工事や設備工事を行う
・高額な部品や資材を預かる
・外注先や協力会社に預かり品を引き渡す
保険契約の内容によっては、管理下財物に関する損害が対象外となる場合や、一定の条件のもとで対象となる場合があります。
作業対象物とは?
受託物とあわせて確認したいのが、作業対象物です。
作業対象物とは、一般的には、まさに作業をしているその物を指します。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
・修理中の商品そのものを破損してしまった
・加工中の部品に傷をつけてしまった
・クリーニング中の衣類を変色させてしまった
・メンテナンス中の機械を故障させてしまった
・内装工事で直接作業している部分を破損してしまった
作業対象物については、保険契約によって取扱いが異なります。
周囲の財物を破損した場合と、直接作業している対象物そのものを破損した場合では、補償の可否が異なることがあります。
事業者さまから見ると、いずれも「お客さまの物を破損した事故」に見えるかもしれません。
しかし、保険契約上は、
・保管中の事故なのか
・運搬中の事故なのか
・作業中の事故なのか
・作業対象物そのものの損害なのか
・作業ミスや仕上げ不良に該当するのか
といった点によって、取扱いが変わる場合があります。
法人向け賠償責任保険でよくある確認不足
法人向けの賠償責任保険では、事業活動に起因して第三者にケガをさせてしまった場合や、第三者の財物を破損してしまった場合などが対象となることがあります。
一方で、注意が必要なのが、預かっている物、管理している物、作業している対象物です。
これらは通常の第三者財物とは区別される場合があり、契約内容や特約の有無によって取扱いが異なります。
たとえば、次のような認識違いが起こることがあります。
・第三者の物だから当然対象になると思っていた
・預かり品も通常の賠償事故と同じ扱いだと思っていた
・作業中の商品そのものも対象になると思っていた
・保管中、運搬中、作業中の違いを確認していなかった
・保険料だけを比較し、補償範囲まで確認していなかった
法人保険を確認する際は、保険料だけでなく、補償範囲や対象外となる事項を確認することが大切です。
受託物・管理下財物・作業対象物で確認したい3つのポイント

- 受託物が補償対象に含まれているか
まず確認したいのは、お客さまから預かった物の損害がどのように取り扱われるかです。
受託物に関する補償がある場合でも、対象となる物や事故の種類に制限がある場合があります。
また、貴重品、高額品、精密機器、動植物、データ、現金など、物の種類によって取扱いが異なることがあります。
- 作業対象物の損害がどのように取り扱われるか
修理、加工、施工、メンテナンスなど、直接作業を行う業務では、作業している物そのものを損傷してしまうリスクがあります。
作業対象物については、契約によって対象外となる場合もあるため、自社の業務内容に照らして確認が必要です。
特に、作業対象物そのものの損害、作業ミス、仕上げ不良、やり直し費用などは、契約上の取扱いを確認しておきたい項目です。
- 保管中・運搬中・作業中のどこまで対象か
同じ「預かった物」でも、事故が発生したタイミングによって取扱いが変わる場合があります。
・店舗や倉庫で保管しているとき
・車両で運搬しているとき
・作業場で加工・修理しているとき
・現場で施工・取付をしているとき
・外注先や協力会社に預けているとき
どの場面まで対象となるかを確認しておくことで、事故時の認識違いを防ぎやすくなります。
どのような業種で確認が必要か
受託物や作業対象物のリスクは、さまざまな業種で発生します。
たとえば、次のような業種では確認しておきたいポイントです。
・修理業
・加工業
・クリーニング業
・内装工事業
・設備工事業
・メンテナンス業
・製造業
・販売業
・レンタル業
・物流業
・保管業
・リフォーム業
・家具、衣類、靴、バッグなどを取り扱う事業者
同じ法人向け賠償責任保険でも、業種や業務内容によって確認すべき内容は異なります。
また、保険会社や商品によって補償範囲、対象外となる事項、引受条件などが異なる場合があります。
そのため、現在の保険内容を確認する際は、業種名だけでなく、実際の業務内容まで整理しておくことが大切です。
保険内容を確認するときに整理しておきたい情報
法人保険の内容を確認する際には、単に業種名だけでなく、実際の業務内容を整理しておくことが大切です。
たとえば、次のような情報です。
・お客さまから物を預かることがあるか
・預かる物の種類
・預かる物のおおよその金額
・保管場所
・運搬の有無
・修理、加工、施工、メンテナンスの有無
・高額品や精密機器を取り扱うか
・外注先や協力会社に預けることがあるか
・過去にヒヤリハットや事故があったか
・取引先との契約で賠償責任に関する取り決めがあるか
これらを整理することで、自社の業務に関係するリスクや、保険契約上確認すべき点が見えやすくなります。
全国の法人・事業者さまへ

ティ・アイ・エス株式会社 法人事業部では、法人のお客さま向けの保険に関する情報提供を行っています。
法人向けの保険は、保険料だけでなく、業務内容、取引先との契約、預かり品の有無、作業対象物の範囲、事故時の対応などを踏まえて確認することが大切です。
特に、次のような場合は、現在の保険契約の内容を確認しておくことをおすすめします。
・お客さまの商品や設備を預かることがある
・修理、加工、施工、メンテナンスを行っている
・高額な商品や機械、資材を取り扱っている
・保管中や運搬中の事故が心配
・現在の保険でどこまで対象になるか分からない
・契約更新のタイミングで補償内容を整理したい
法人保険は、単に加入しているかどうかだけでなく、実際の業務内容と契約内容が合っているかを確認することが重要です。
よくある質問
- 受託物とは何ですか?
受託物とは、一般的には、お客さまなど第三者から預かっている物を指します。修理品、加工品、衣類、機械、資材など、業務上預かる物が該当する可能性があります。
- 預かった商品を壊した場合、法人保険で必ず補償されますか?
必ず補償されるとは限りません。現在加入している保険契約において、受託物がどのように取り扱われるかを確認する必要があります。
- 作業中の商品を壊した場合も対象になりますか?
契約内容によって異なります。作業中の商品や設備など、直接作業している対象物は、作業対象物として別の取扱いになる場合があります。
- 管理下財物とは何ですか?
管理下財物とは、一般的には、自社が使用・管理・保管・作業している他人の財物を指します。お客さまから預かった物や作業対象物などが該当する可能性があります。
- 保管中と作業中で保険の取扱いは変わりますか?
変わる場合があります。保管中、運搬中、作業中、施工中など、事故が発生した状況によって取扱いが異なることがあります。
- どのような業種で確認が必要ですか?
修理業、加工業、クリーニング業、内装工事業、設備工事業、メンテナンス業、製造業、販売業、物流業、保管業、リフォーム業など、お客さまの物を預かる業種では確認しておきたいポイントです。
- 受託物と作業対象物は同じですか?
同じ意味で使われるとは限りません。受託物は一般的に預かっている物を指し、作業対象物は実際に作業をしている物を指します。保険契約上の取扱いは、契約内容や事故状況によって異なります。
まとめ
法人向けの賠償責任保険では、第三者の身体や財物に関する損害だけでなく、預かっている物、管理している物、作業している対象物がどのように取り扱われるかを確認することが大切です。
特に、次のようなリスクがある事業者さまは、現在の契約内容を確認しておくとよいでしょう。
・お客さまの商品や設備を預かることがある
・修理、加工、施工、メンテナンスを行っている
・高額な商品や機械、資材を取り扱っている
・保管中や運搬中の事故が心配
・現在の保険でどこまで対象になるか分からない
保険契約の内容は、保険会社、商品、特約、事故の状況によって異なります。
実際の補償可否については、保険証券、約款、重要事項説明書、契約内容などを確認する必要があります。
※本記事は、法人向け保険に関する一般的な情報提供を目的としたものです。特定の保険商品の募集、推奨、加入勧誘を目的としたものではありません。実際の補償内容や保険金のお支払い可否は、個別の保険契約、約款、特約、事故状況等により異なります。
