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法人の火災保険更新・見直し|保険料と事業継続を考える4つの確認点

近年、自然災害の激甚化などを背景に、火災保険の保険料水準が見直される動きが続いています。もっとも、「保険料が上がった・下がった」という情報だけでは、自社の契約がどう変わるのかは分かりません。保険料改定の参考となる「参考純率」は建物の構造や所在地、補償内容によって影響が異なり、特に法人が所有・賃借する事業用の建物は、住宅とは別の基準で評価されます。更新時期を迎えている、あるいは数年以上見直しをしていないという企業は、今回を機に、自社の火災保険・事業用保険の内容を確認しておくことをおすすめします。
保険料改定率だけでは、自社の更新条件は分からない
損害保険各社が使用する「参考純率」は、損害保険料率算出機構(GIROJ)が算出し、金融庁への届出・適合性審査を経て各社に提供される参考値です。実際の改定時期や改定幅は保険会社や商品、契約内容によって異なり、必ずしも参考純率の改定時期と一致するものではありません。
特に押さえておきたいのは、水災リスクに応じて地域を細分化する「水災等地」の仕組みです。これは住宅物件を対象に導入されたもので、工場・倉庫・事務所といった法人所有の建物(一般物件・工場物件・倉庫物件など)には、住宅物件とは別の基準が用いられます。そのため、「自宅の火災保険料が上がったから、会社の建物も同じように上がる」とは限らず、自社がどの区分に該当し、どのような条件で契約しているかは、保険会社や代理店に個別に確認する必要があります。
以上を踏まえると、企業にとって大切なのは「改定率がいくらか」を追いかけることよりも、「自社の契約内容が今どうなっていて、更新時にどう扱われるか」を確認することだといえます。
更新・見直しの際に確認したい4つのポイント
① 建物の評価額(保険金額)が実態と合っているか
建設費や資材価格の上昇により、契約時に設定した保険金額が現在の再調達価額(同等の建物を新たに建てる場合の費用)と乖離しているケースが見られます。保険金額が実態より低いままだと、万一の際に十分な補償を受けられない可能性があるため、定期的な見直しが欠かせません。
② 水災・風災などの補償内容が自社のリスクに合っているか
近年は水災や風災による被害の報道も増えています。自社の建物が所在するエリアのハザードマップや、過去の浸水・風水害の実績を踏まえ、水災補償の要否や支払条件(支払方法・自己負担額など)を確認しておくことが重要です。
③ 休業損失や設備損害など「事業継続」に関わる補償があるか
建物や什器が被災した場合、修復費用だけでなく、営業できない期間の利益損失や、仮店舗・仮事務所の賃借費用など、事業継続に直結する費用が発生します。火災保険本体の補償に加えて、利益保険や休業損害に対応する特約・商品の要否を確認しておくと、被災後の資金繰りへの備えになります。
④ 複数物件・複数契約を一括で管理できているか
店舗や拠点を複数持つ企業では、契約が物件ごとにばらばらになり、更新時期や補償内容にばらつきが生じていることがあります。契約状況を一覧で整理し、更新タイミングや補償内容を横断的に見直すことで、補償の抜け漏れや保険料の最適化につながるケースもあります。
よくある質問
Q1. 火災保険の保険料は必ず上がるのですか?
A1. 参考純率の改定が行われても、実際の保険料が上がるか下がるかは、保険会社・商品・契約内容(所在地、建物の構造、補償内容など)によって異なります。一律に上がるとは限らないため、自社の契約内容をもとに保険会社・代理店に確認することが必要です。
Q2. 契約内容を見直すタイミングが分かりません。何を基準に考えればよいですか?
A2. 更新時期が近づいたとき以外にも、建物の増改築や用途変更があったとき、周辺の災害リスクに変化があったとき、事業内容や売上規模が変わったときなどは見直しの良いタイミングです。保険金額が実態と合っているかを中心に確認するとよいでしょう。
Q3. 複数の保険会社を比較する時間がありません。どう進めればよいですか?
A3. 現在の契約内容(保険金額、補償範囲、保険料、更新日)を整理したうえで、代理店に相談すると、比較や見直しの提案を受けやすくなります。まずは契約内容の棚卸しから始めることをおすすめします。
法人火災保険・事業保険の見直しは、TIS法人事業部へ
ティ・アイ・エス株式会社 法人事業部では、法人のお客様の火災保険・事業用保険について、現在の契約内容の確認から、補償内容・保険金額の見直し、複数物件の契約整理まで、幅広くご相談を承っております。「契約内容を一度整理してほしい」「更新時期だが何を確認すればよいか分からない」といったご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年10月時点で確認できる公開情報をもとに作成しています。保険料改定の実施時期・内容は保険会社や商品によって異なり、将来変更される可能性があります。正確な内容は各保険会社の公表資料をご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。
ティ・アイ・エス株式会社
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【参考・出典(執筆時点の公開情報)】
・損害保険料率算出機構(GIROJ)「火災保険参考純率について」(2023年6月21日 金融庁長官へ届出/同年6月28日 適合性審査結果通知受領)
・損害保険料率算出機構(GIROJ)「水災料率の細分化について」
・執筆・確認日:2026年10月26日
