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サイバー攻撃で受発注が止まったら? 中小企業が確認したい3つの損失と備え

情報漏えいへの対応費用から、営業停止中の資金まで。経営者が確認しておきたいポイントを整理します。
受発注システムにアクセスできない。製造や出荷の予定が分からない。顧客情報が外部に流出した可能性がある――。サイバー攻撃の影響は、パソコンやシステムの不具合だけにとどまりません。事故対応の費用に加え、営業の中断や入金の遅れなど、企業経営に影響することがあります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、国内組織で相次ぐ不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、2026年10月9日に注意喚起を公表しています。中小企業の経営者として確認したいのは、「攻撃を防ぐ対策」に加えて、「被害が発生したとき、どの業務が止まり、どのような支出や損失が生じるか」です。
サイバー攻撃によって生じる主な3つの損失
① 第三者への損害賠償
顧客の個人情報や取引先の機密情報が漏えいし、第三者に損害を与えた場合、企業が法律上の損害賠償責任を負う可能性があります。また、自社のシステム停止が取引先の業務に影響し、損害賠償を請求されることも考えられます。実際に責任を負うかどうかは、事故の状況や契約内容などによって異なります。
② 原因調査・復旧・顧客対応などの費用
事故が発覚すると、被害の拡大を防ぎ、原因や影響範囲を調べ、業務を復旧する必要があります。例えば、次のような費用が生じることがあります。
- 専門業者による原因・被害範囲の調査
- システムやデータの復旧
- 顧客・取引先への通知や問い合わせ対応
- 弁護士などの専門家への相談
情報漏えいや損害賠償責任が確定していなくても、調査や初動対応に費用がかかる場合があります。
③ 業務中断による利益の減少と追加支出
製造業で生産管理システムが止まれば、製造や出荷に影響する可能性があります。小売業・卸売業でも、受発注システムが使えなければ、通常どおりの営業が難しくなることがあります。一方で、営業が止まっても、給与や賃料などの支払いは続きます。代替システムの利用や臨時の作業など、業務を継続するための追加支出が必要になることもあります。売上への影響だけでなく、停止中の支払いと手元資金まで確認しておくことが大切です。
経営者が確認しておきたい5つのこと
1.止まると困る業務は何か
受注・製造・出荷・請求・顧客対応など、どの業務がどのシステムに依存しているかを確認します。自社のサーバーだけでなく、外部のクラウドサービスや委託先が停止した場合の影響も確認しておきましょう。
2.システムが使えない間の代替手段はあるか
電話や紙で受注できるか、別の方法で取引先に連絡できるかなど、停止中に継続できる業務を確認します。バックアップについても、保存の有無だけでなく、復旧に利用できるかをIT担当者や委託先と確認することが大切です。
3.停止中の支払いに対応できるか
仮に数日間、あるいは数週間、通常どおり営業できなくなった場合、どの支払いが続き、入金にどの程度の影響があるかを考えます。原因調査や復旧費用も含め、急な支出に対応できる資金を確認しておきましょう。
4.事故が疑われたときの連絡先は決まっているか
社内責任者、IT業者、加入している保険の事故受付窓口など、必要な連絡先を整理しておきます。システムが使えないときでも参照できる方法で、連絡先と初動手順を共有しておくことが重要です。
5.現在の保険は、どこまで補償するか
「サイバー保険に入っている」という確認だけでは、十分とは限りません。保険証券や補償明細などで、次の3つが補償されるかを確認しましょう。
- 第三者への損害賠償
- 原因調査・復旧・顧客対応などの費用
- 業務中断による利益損害・営業継続のための費用
補償の名称や構成、対象となる事故は、保険会社・商品・契約内容によって異なります。
サイバー保険で備えられること、確認したいこと
サイバー保険は、事故による経済的損失に備える方法の一つです。契約内容に応じて、賠償責任、事故対応費用、利益損害などを補償します。ただし、すべての契約に、これらの補償が含まれているわけではありません。利益損害や営業継続費用については、特約等の付帯が必要な場合があります。特に利益損害は、営業停止中の売上減少額や固定費の全額が、そのまま支払われるものではありません。対象となる事故、利益の算定方法、補償の対象期間、支払限度額、免責金額・免責時間などを確認する必要があります。また、失った取引や信用が、保険金によって元どおりになるわけでもありません。保険と併せて、被害を抑え、業務を継続・復旧するための準備が欠かせません。
対策・対応体制・資金・保険を組み合わせる
サイバー攻撃への備えは、保険加入の有無だけでは判断できません。まず、被害を防ぐ対策を行う。そのうえで、事故時の連絡・対応手順、業務の代替手段と復旧方法、急な支出に対応する資金を確認します。保険については、現在の補償と自社のリスクを照らし合わせ、不足があるかを確認することが出発点です。その結果に応じて、現在の契約を継続する、補償内容を変更する、新たな加入を検討するなどの選択肢があります。
よくある質問
Q1.現在加入しているサイバー保険では、何を確認すればよいですか?
A1.賠償責任・事故対応費用・利益損害の補償の有無に加え、対象となる事故、支払限度額、免責金額、特約などを確認してください。利益損害については、対象期間や免責時間なども確認が必要です。
Q2.委託先やクラウドサービスの停止による損失も補償されますか?
A2.一律に補償されるわけではありません。停止したシステムやサービスが契約上の対象となるか、停止原因が補償条件を満たすか、必要な特約が付いているかなどによって異なります。
Q3.セキュリティ対策をしていても、保険を検討する必要がありますか?
A3.対策をしていても、被害の可能性を完全になくすことは困難です。ただし、それだけで保険加入が必要と決まるわけではありません。想定される損失、手元資金、現在の補償などを踏まえて検討することが大切です。
サイバー保険の補償内容の確認・相談は、TIS法人事業部へ
現在加入している保険では、どのような損害が補償されるのか。サイバー保険を検討する際、どの補償を確認すればよいのか。現在の補償内容の確認や、サイバー保険の見積りについては、ティ・アイ・エス株式会社 法人事業部へ相談ください。
※本記事は2026年10月時点の公開情報をもとに作成しています。保険の説明は一般的な概要です。補償の有無・範囲・支払条件・免責事由等は、保険会社・商品・契約内容によって異なります。詳細は契約の約款・特約等を確認してください。
ティ・アイ・エス株式会社
#サイバー保険 #サイバー攻撃 #中小企業 #事業継続 #経営リスク
【参考・出典(執筆時点の公開情報)】
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について」(2026年10月9日、https://www.ipa.go.jp/security-alert/alert20261009.html )
・執筆・確認日:2026年10月26日
